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浦和中央自動車教習所(指導員 紹介)

第1回:邊見 恒平(へんみ こうへい)

2019年06月13日

自分が教えることで、できるようになって行ってくれる
これが、自分にとっても楽しくてやりがいを感じられることだと気づいた

指導員を目指したきっかけは?

私は元々、デリバリーピザのお店で店長をしていました。店を運営していく中で、アルバイトを採用して仕事を覚えてもらうためにトレーニングを行うのですが、自分が指導をしてスタッフが作業を覚えてできるようになって行ってくれることが非常に楽しかったんです。スタッフができるようになって行くことが自分にとっても楽しくて、やりがいを感じられることだと気づきました。
教える内容の中には配達用バイクの運転もあったのですが、自分の趣味でもある四輪車や二輪車の運転を教えることも面白かったので、教習所の指導員になるのは自分に合っているだろうと思って転職しました。

指導するにあたって心掛けていること・大切にしていることは?

当教習所の卒業生が「一生事故に遭わないように」そして卒業後も「ちゃんと運転できるように」これを意識して教習しています。私はこの「ちゃんと運転できる」の本当の意味を教習生に分かってもらいたいと思っているのです。

初めて教習所に来る生徒さんは、世の中の運転している人がみな「運転できる人」だと思っていて、自分もそうなろうと入所してきます。だけど、本当は免許を持って運転していながら、危ない運転をする人やルールを守らないで運転する人が少なくない。だから悲惨な事故が起きているんです。
ただ運転できるようになろうと思って入所してくる生徒さんと、本当の意味で「ちゃんとした運転ができる人」になってもらいたいという私の気持ちとは、始めはギャップがあります。このギャップを教習の中で埋めていきたいんです。
しかし、安全に気を付けるよう頭ごなしに伝えても、卒業した後に本当の意味でそれが教習生のものになっているか分かりませんよね? 卒業後のそのずっと後も、どうすれば教習生が本当に安全な運転をできるようになるかを毎時間考えて教習しています。

教習生と私の考える「ちゃんとした運転」がはじめは違っている
このギャップを"対話"を通して教習の中で埋めていきたい

具体的にはどんな工夫を?

やはり大切なのは"対話"です。都度コミュニケーションを取りながら、教習生の考え方や意見を聞いていきます。その方がどう考えているかによって、その方に合うように接し方や教習の仕方を変えていく必要があるので、教習生の考えや意見を聞くことはとても大切なことだと思っています。

例えば以前の教習生で、とても熱心に取り組んでくれていた主婦の方が居たんです。人一倍頑張っていたんですが、なかなかスムーズに運転できなくて...。信号や標識を見落としてしまうくらい緊張していました。でも私は指導員として、その頑張りに何とか応えたかった。とにかくその方に寄り添って、色々な場面で質問するようにしたんです。

教習中、どんなやり取りをしたんですか?

運転中、見落としがあると「今、何を見てますか?」と聞きました。すると「えっと、(前の)車っ!!」と返ってきたので、続けて「今、信号は見てましたか?」と聞きました。そうしたら「信号!?」と、思ってもみなかったみたいな返事が返ってきました。
その後もその方の運転を見ていると、前車・バックミラー・速度メーターばかり見て運転しています。おそらく「速度が遅くなって、後ろの車のジャマにならないように運転しなくちゃ」という気持ちが強く、信号や標識などが見えてないのではないかと感じました。そこで更に質問を続けたんです。

「前を走る車との車間距離は、どのくらいがいいですか?」という私の質問には、「急ブレーキをかけられた時にぶつからない位がいいと思います」と仰いました。続いて私が「なるほど。確かにそうですね。では、今より車間距離を空けて走ると、どうでしょう?」と聞くと、「渋滞の原因になるので、良くないと思います」と返答されたのです。これによって、適切な車間距離がどのくらいなのかがよく分かっておらず、今より車間距離を開けて走ることは迷惑なこと、悪いことだと思っているのがわかりました。
しかしこの方の車間距離は、周囲の状況を把握して運転するのには十分とは言えません。そこで私が、今より車間距離を多めにとるようにアドバイスし、その上で「前の車の屋根の辺りを見てみましょうか?」と言うと、「あっ!!見えます!信号が見えます!!」と興奮気味に返事が返ってきたのです。

教習生ひとりひとりの考えや気持ちをよく聞いて
その人に響く接し方や教習の仕方をする必要がある

教習生に何か変化はありましたか?

今までは運転中に周りに遅れをとらないようにすることばかりに気を取られていて、結果的にそれが周囲の情報を取りづらくし、スムーズな運転ができない原因になっていました。 しかし今までやってはいけないと思っていた「車間距離を空けること」が、この教習生の視野を広げて気持ちにゆとりをつくり、安全かつスムーズな運転につながることに気付いてくれました。そこからは先急ぎをせず、余裕のある運転に変わったと思います。

教習の後、その方が笑顔で「ようやく運転が楽しくなってきました」と言ってくださったのをよく覚えています。指導員として、教習生の成長に立ち会えた喜びを感じた瞬間でした。
その後は、順調に教習が進み無事卒業されましたが、卒業の際には挨拶に来てくれたんです。その際に聞いたのですが、彼女の旦那さんがとても車間距離を詰める方だったようです。「私が旦那に教えます!!」と笑顔で仰っていたのが印象に残っています。

教習生の成長に立ち会えるのが指導員としての喜び
どんな教習生にも100発100中で心に響く教習をしたい

今後、どんな指導員になりたいですか?

まだ、資格がなくてできない業務があるので、チャンスがあれば資格を取って、様々な 観点から指導できるようになれればと思っています。今よりもっと多角的に教習生の指導に携われるようになれば、様々なタイプの教習生を指導する際の助けになると思うので。
人対人の仕事なので、なかなか上手く伝わらない時もあるのですが、自分自身の教習技術を上げて、どんな教習生を担当しても100発100中で心に響く教習ができる指導員になりたいと思っています。
人の成長に携わることのできるこの仕事は、本当にやりがいがあります。今後もこの想いを大切に続けていきたいと思っています。

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